「基本の原価管理術」(21の術)実行予算の作り方

2018.07.07

21の術:実行予算の作り方
 
「難しい」からといって何も教えないのでは、いかに「基礎の・・」とは言っても不親切ですね。そこで、以下にポイントのみを簡単に解説します。
まず、施工図(なければ設計図)から、部位別の施工数量を算出します。これを業界用語で、「数量拾い」あるいは、単に「拾い」と言います。
できるだけ細かく拾うことが大事ですが、時間の制約もあるので、ある程度 まとめることは仕方ありません。
(この拾いの技術そのものが、かなり高度な技術なのですが、それは別途に 学んでください。そのためには、図面から施工の姿や手順を読み取れるようになる訓練が欠かせません)
 
②    次に、施工に必要な工事の種類(これを「工種」と呼びます)を出来る限り細かく洗い出し、
合理的な施工順序に合わせ て並べていきます。
 
③    上記の工種単位に、必要となる「経営資源」を抽出していきます。
「経営資源」とは“原価の基になる”物理的なモノです。つまり、材料、職人、使う機械や仮設材、必要な経費などです。これを「要素」と言います。
 
「外注」という要素もありますが、上記の各要素をひとまとめにして外部の専門工事会社に委託することを指します。 外注管理というと、現実の工事では「一括して工程だけを管理」しているケースが大半ですが、本当は各要素に分解して管理すべきです。 しかし現状は、出来ていない会社がほとんどです。
 
④    「工種×要素」ごとに、①で算出した施工数量を当てはめて、要素単位の必要数量を求めます。
ここで必要になるのが、生産性のカギを握る「日進量」という単位です。この単位を基に必要数量を計算していくわけです。
 
⑤    要素単位の「単価」を決めます。
⑥    「工種×要素」ごとに単価を掛けて集計計算を行い、工事原価を決めます。
⑦    必要となる「その他の経費」を会社の規則に従って計算し、最後に総額を集計すれば、それが
実行予算となります。
どうですか、やはり簡単ではありませんね。
でも、間違っても良いので、積極的に取り組んでいけば必ずマスターできるものではあります。