「基本の原価管理術」(6の術)変動費

2018.03.17

 
 前述したように、「変動費」は売上高の多寡によって変化する費用です。
 
 材料費や外注費など、売上(完工高)と直接関係のある変動費は当然「原価」となります。
 一方、本社の人件費や光熱費などのように、変動があったとしても売上と直接関係の薄い費用は「原価」でなく「経費」として処理することが一般的な処理方法です。
 
 
 ここで“一般的な”と書いたことには理由があります。
特定の工事の原価には出来ないが、多くの工事にまたがって発生する変動費があります。
これらの費用も原価なのですが、どれか特定の工事の原価とすることが出来ないので、会社全体の一般管理費として処理している会社が多いのです。
 
しかし、後の章で述べる「配賦」という処理方法で、原価として各工事に振り分けている会社もあります。
それで“一般的な”と書いたのです。
 
 
 一方、工事のために一定期間借りた事務所の家賃などは固定費的な支払いになりますが、「原価」として扱います。
仮囲いや仮設小屋などの仮設費用、タワークレーンなどのリース費用なども支払は固定的ですが、同様に原価として扱います。
このように工事原価の中にも、変動費と固定費という性格の異なる費用発生があるのです。
 
 
 とにかく「どの工事のための出費か」が特定できる支払いは、全て、その工事の原価として把握すべきです。
 「当然だよ」と言われるでしょうが、注意すべきは取引会社からの請求処理や支払が本社の経理部などで一括して行われている場合です。 
 
多くの工事会社を見てきましたが、このような場合は、必ずしも的確に工事毎に振り分けられていないケースが非常に多いのです。
 
 例えば、ガソリン代の請求などは、一般に工事毎に分けられていなくて、会社に対して一括請求される場合が多いですが、無理もありません。
ガソリンスタンドに「工事別に分けて請求を」と要求しても、「それは・・」と言われるでしょう。

 また、砂利などの一般的な材料を一括で仕入れて会社に貯蔵し、必要に応じて各現場に運ぶなどの場合は、必ずしも工事毎に把握されずに、あいまいに処理されていることも多いです。
 
 面倒臭がらずに、一度、自社の実態をチェックされてはいかがでしょうか。