「基本の原価管理術」(1の術)商売は難しい

2018.02.10

「商売は難しい」のが当たり前。
簡単だったら、この世は成功者だらけになっているはず・・ですよね。
でも、現実は逆で、世の中は失敗者だらけなのです。
 
新規創業した会社が10年後も生きている確率は10%以下、35年で3%と言われています。
創業100年を超す素晴らしい会社もありますが、100年ともなると、生存確率は1%にも満たないでしょう。
かくも「商売とは難しい」のです。
 
自分のことで恐縮ですが、27年前、創業を決意した時、知り合いの会計事務所の所長さんに事業計画書を見てもらいました。
その結果は・・
「売上も経費も、この倍は必要だな!」
つまり、こんな計画では企業にならん、ということなのです。
 
“そんなこと言われても・・”と困惑したのですが、実際に創業して半年で悟りました。
言われたとおりだったのです。
満を持しての創業でしたが、自信があった種類の仕事はさっぱり利益が出ない。
というより利益が出るような仕事が取れないのです。
たとえ技術力があっても、創業間もない会社に、高い信用度が必要なレベルの仕事は回って来ないのです。
そして、信用度の高くない仕事は“利益も少ない”のです。
商売を甘くみていたわけではありませんでしたが、覚悟した以上に商売は難しかったのです。
ですが、こうした商売の難しさを乗り越えてこそ強い会社になれるのだと、考えを変えました。
 
でも、精神論で頑張るというのは止めましょう。
企業は、全ての行動を、冷静かつ的確な戦略と戦術のもとに行うべきなのです。
戦略とは進むべき方向を示す指針であり、戦術はその具体的な実行策です。
そして、その戦術の要となるのが「原価管理」です。

商売が難しいと思うのであれば、まずは自社の原価を徹底的に分析することです。
それが出来ないうちは「利益の出る仕事」は受注できないと思ったほうが良いでしょう。