第27回:科学と哲学(後半)
2011.12.28
3月11日以来、本道場は「原発事故」一色になってしまい、シリーズの配信が止まった。
ワシも「原発コーナー」の配信で手いっぱいじゃった。
そんなわけで、シリーズは長期の休止になっておった。
ようやく、このたびのホームページの全面改定でワシもお役ごめんとなった。
それで、やっと本道場を再開することが出来るというわけなんじゃ。
久しぶりじゃが、休んだ分も含めて猛稽古を復活するぞ。それでは。
【科学と哲学(後半)】
ところで、本道場は第26回の「科学と哲学(前半)」で止まっておったのう。
科学者であり哲学者でもあったブレーズ・パスカルの話の途中じゃった。
ここから再開するが、もう、前回の内容は覚えておらんじゃろうな。
そんな塾生は、面倒でも第26回を読んでみてくれんかのう。
では、前回の最後の宿題のところから始める。
「下の写真はいったい何か」じゃったな。
これは、歯車式計算機「パスカリーヌ」と言ったらどうじゃな?
そうじゃ、
これが、人類初の計算機なんじゃ。
歯車の組み合わせで四則演算ができ、答えが6ケタまで計算出来たんじゃ。
機械の上部にある6つの窓に答えの数字が出るんじゃな。
操作は写真の下部に見える6つの歯車を回すのだが、
箱の中には幾つもの歯車があって、表面の歯車の動きに連動して動く。
そして、一番最後に動く歯車(箱の中にある)に数字表示が貼られ、桁ごとの答えが上部の6つの窓に表示される仕組みである。(下図を参照)
この計算機をパスカルは19歳の時に作った。
大したもんじゃのう。
塾長は、これをまねて4ケタまでの歯車計算機を作ったことがある。
小学5年生だったと記憶しておる。
といっても、真似すれば誰でも作れるんじゃがな・・
自分で作って、自分で使ってみて、
「パスカルはすごい!」って感心したもんじゃ。
実は、現代のコンピュータの全てが、このパスカルの計算機の応用と言ってもいいんじゃ。
電卓からスーパーコンピュータに至るまでじゃ。
勿論、あんたのパソコンもスマホもな・・
これを370年前に考えだしたんじゃよ。
パスカルという人間はだ。
どうじゃな。
哲学書「パンセ」を書いた大哲学者パスカルと、
「パスカルの法則」を始めとする数々の科学原理を発見し、計算機を発明したパスカル。
科学者としても画家としても天才の名を欲しいままにしているレオナルド・ダ・ヴィンチと肩を並べる天才じゃのう。