日本の未来を明るくするには(5) 【HAL通信】2014年6月30日号より

2014.11.05

日本を支えているのは中小企業である。
これに異文を唱える人は少ないであろう。
ところが、冒頭で述べた政府税調の「外形標準課税」のような施策は、確実に中小企業の経営を弱めてしまう。
こんな政策がアベノミクスの第二ラウンドであってはならない。
大手企業や海外企業を優遇する方向に政策が傾けば、韓国と同じ轍を踏むことになる。

その韓国であるが、経済失速は避けられないようである。
韓国経済の足元の脆弱性は再三指摘されているが、今や危険水域になりつつある。
最先端の素材や部品は日本に遠く及ばず、低価格の素材や部品は中国の猛追を受けるという厳しい環境に置かれている。
反日政策に明け暮れている朴政権も、さすがに、こうした自国の弱点は認識しているようである。
今年になって、2020年に世界の素材・部品分野の輸出額で日本を上回るという計画をぶち上げた。
だが、なんら具体策のない花火のような計画で、この分野で日本に迫ることは不可能と断言する。

日本の精密部品や素材技術の大半は中小企業が持っている。
しかし、事大主義に染まっている韓国には日本のような分厚い中小企業群が育たない。
さらに、日本は古き時代より技能を尊ぶ文化があり、近代になっても、西洋文明を学び、さらに改良を加え、努力を重ね、営々として独自技術を磨いてきた歴史がある。
なにより、“ものづくり”が尊いという考え方が根付いている。
しかし、韓国にはこうした歴史も文化も国民の意識もない。
ゆえに「不可能」なのである。

しかし、安倍政権が大企業重視に政策を振るようなことがあれば、韓国の二の舞いになることは明らかである。
前節で述べたように、「生産性の向上」に真剣に取り組まず、カネのことしか目に入らないかのような今の建設産業は、韓国化の道に入っているような気がしてならない。
ここに気付いて、「建設業も製造業なり」の意識を持つことが、明日の日本を明るくする道につながるのである。