建設産業への提言 2012 「未来をつくる」

2012.01.01

昨年の大震災、そして原発事故が教えてくれたのは、この国の脆弱(ぜいじゃく)さ、かつ「リスク管理」の幼稚さです。しかし、震災からの復興も原発事故の収束も、その青写真さえ定かでない今の現実は、自らの幼稚さを理解することさえ出来ないこの国の姿を鏡に映し出しているかのようです。

建設産業は社会を支える産業であり、未来をつくる産業です。震災からの復興だけでなく、確実に来る次の災害をどう防ぐか、尊い人命をどう守るか、重大な使命を持っている産業です。また、現実に起きてしまった原発事故の収束、さらに放射能汚染の除染や防護に対しても重要な役割を担っています。しかし、復興計画にしても、原発事故の収束計画にしても、建設産業界からの提言は全く聞こえてきません。いや、その前に、市民から建設産業界に期待する声が聞こえてきません。どうしたことでしょう。

旧来の体質にどっぷり染まってしまった企業が主体では、どんな産業も衰退します。市民からも、ただの「利権集団」としか見られません。今のような国家の大事な時に、期待されもせず、声も上げられないのでは、単に復興財源目当ての産業とのそしりを受けるだけです。

であるならば、それを逆手にとり、「未来をつくる」とはどういうことか、それを戦略として自社の経営に反映させる好機だと考えることです。「戦略」なき企業は、これから津波のように押し寄せる経済構造の大転換に生き残ることは出来ません。逆に、生き残りを掛けた戦略を練り、実践していく企業には大いなるチャンスが訪れる時代でもあります。

昨年の冒頭で申し上げた「消費者主導の市場革命」は、ますます進展していきます。世界を見れば、インターネットによる情報通信革命は、いとも簡単に政治すら変えていっています。市場経済よりも政治に寄りかかってきた旧来の建設産業は、このままでは滅んでいくでしょう。市場と正面から相対することが出来る企業への変身(metamorphosis=メタモルフォーゼ)を目指しませんか。
HAL-SYSTEMは、その変身を支援します。

平成24年1月
株式会社ハルシステム設計