建設産業への提言2014 「新しい何かを始めませんか」

2014.01.06

日本経済はようやく長いデフレのトンネルを抜けようとしています。
表面的には、アベノミクス効果で、株価が上がり、円安が続き、企業収益も大幅に改善されつつあります。
政権交代の効果はあったと言えます。

しかし、手放しで喜ぶわけにはいきません。
かくも長く続いたデフレ経済に、企業も消費者もすっかり心理を打ちのめされ、容易にはその傷が癒えない状態になっています。

消費の量は増えても単価は思ったほどには上がりません。
これは建設市場だけでなく、どの市場でも見られる傾向です。
一度落ちた単価を上げるのは至難のわざです。
消費者にとって、落ちた単価が「当たり前の単価」となってしまうからです。
100円ショップも100円寿司も、牛丼も・・「激安!」を売りにしてきたのです。
これらは、すべてデフレ経済下で成り立ってきた商売方法なのです。

政府は必死になってインフレ経済への転換を図っていますが、多くの産業でのデフレ競争が止む気配はありません。
正月番組のコマーシャルを見ていても、「お買い得」、「お値打ち」といった言葉が氾濫しています。
その中で「住宅が555万円で・・」というコマーシャルが目につきました。
今年も、住宅の安売り競争が続くのかと、やや憂鬱にもなってきました。

年明け早々、暗い話で申し訳ありませんが、既存の商売の延長線上では、デフレ経済からの脱出は出来ないということを申し上げたかったのです。
新しい商品、新しい商売のやり方、新しい人、新しい企業、新しい事業・・
こうした「新しい・・」がたくさん出てこないことには、次の経済のステップに上がれません。
今年は、何かひとつでよいから、「新しい・・」に挑戦してみませんか。

300万を超す中小企業・小規模事業者が全て「何かひとつ」を実践したら、
成功確率1%でも、3万を超す新しい何かが生まれるのです。
10%だったら、30万です。
「では、我が社は」・・ どうですか。
もう走りだしていますか。
それは、結構なことです。


平成26年1月
株式会社ハルシステム設計